NVIDIAのミドルレンジGPU「RTX 4060」や「RTX 4060 Ti」は、発売当初から「売れない」「ゴミ」といった辛辣な評価をネットで浴びています。この記事では、ネット上の評判・ベンチマーク・販売状況などを深掘りし、なぜ「売れない」と言われるのかを整理します。
1. VRAM(グラフィックメモリ)容量の不満
多くのレビューで取り上げられているのが、VRAM容量への不満です。RTX 4060 Ti(8GB)は、クリエイティブ用途や高設定ゲームでは「8GBでは不安」とされ、期待値を下回ったという声が多数あります。
2. メモリ帯域幅と128bitバス幅の影響
RTX 4060/Tiはメモリバス幅が128bitと狭く、帯域幅も下がっています。旧モデルの3060Tiが256bitなのに対し、4060 Tiは128bit/288GB/s。これが実効性能への不安材料になっています。
3. 性能向上が限定的=“中途半端”との評価
前世代からの性能向上が10~20%にとどまり、買い替え需要を喚起するには弱い印象です。3060Tiや3070からの乗り換えにメリットを感じない人も多く見られます。
4. 高めの発売価格と価格対性能比の低下
日本での発売価格は69,800円前後。前世代より高く、価格と性能のバランスに不満が集まりました。後発のRTX 5060シリーズと比較しても、コスパが見劣りします。
5. 供給減で売れない? or 高騰して売れてる?
一部地域ではNeweggなどで売れ行き好調、価格も高騰していますが、日本やドイツなどでは「在庫が余っている」「値下げされても動きが鈍い」といった声もあり、地域差が見られます。
6. 競合との比較:AMDやIntelに押される
この価格帯にはAMD「RX 7600」やIntel「Arc B580」など、より高コスパな製品があり、RTX 4060の存在感が薄れがちです。
7. それでも選ぶ価値はある?
RTX 4060は「売れない」「性能が物足りない」と言われることもありますが、実は状況によっては非常にコスパが高い選択肢になります。特にフルHD(1920×1080)環境でゲームを楽しむユーザーにとっては、むしろ「最適解」と言えるシーンも多いのです。
✔ DLSS 3対応が超優秀
RTX 4060はDLSS 3(Deep Learning Super Sampling 3)に対応しており、対応タイトルではAIによってフレームを生成し、実際のGPU性能以上のフレームレートを体感できます。Apex Legendsやフォートナイト、Cyberpunk 2077といった人気タイトルでも恩恵が大きく、快適なゲーム体験が可能です。
✔ 消費電力が少なく、省エネ性能が高い
消費電力(TDP)はたった115W程度と、旧世代のRTX 3060(170W)に比べて大幅に効率的。電気代の節約になるだけでなく、小型PCケースやエアフローに不安がある環境でも安心して使えます。
✔ 6万円前後で購入可能
価格が発売当初より下がってきており、現在では6万円前半~5万円台後半で購入できるモデルも登場しています。この価格帯でDLSS 3や省電力を備えた最新GPUが手に入るのは、非常に魅力的です。
✔ どんな人におすすめ?
- 初めてゲーミングPCを組む初心者(コスパ良く最新機能を体験可能)
- FHD環境で安定したフレームレートを重視する人
- 電気代を抑えたい・省エネを重視する人
- 静音性や小型構成を目指す人(消費電力が低いため熱も少ない)
📌 注意点
ただし、WQHDや4Kなど高解像度環境ではVRAM容量やメモリ帯域幅の制限によりボトルネックが発生しやすいため、「フルHD限定での選択肢」と割り切ることが重要です。
要するに、RTX 4060は「過剰な期待」さえしなければ、非常にバランスの良いGPUです。用途をしっかり見極めれば、“売れない”という評価を逆手に取ったお買い得な選択になる可能性もあります。
まとめ:売れないと言われる理由と今後の展望
ポイント | 課題/補足 |
---|---|
VRAM容量 | 8GBでは最新ゲームや高解像度で物足りない |
メモリ帯域 | 128bit設計に不信感、実効性能への懸念 |
性能向上率 | +10~20%程度、買い替えインセンティブが薄い |
価格設定 | やや高め。値下げ後に価値回復の兆し |
競合製品 | AMD RX 7600など高コスパ製品と競合 |
供給/需要 | 地域差あり。米国では売れているが日本は微妙 |
今後に向けて
- 価格がこなれれば、再評価のチャンスあり
- DLSS3対応タイトルが増えるほど価値が上がる
- RTX 5060など後続モデルの存在が鍵を握る
以上、「RTX 4060 売れない」と言われる理由を徹底分析しました。購入を検討している方は、この記事を参考に自分に合った選択をしてみてください。
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