RTX 3060の性能は本当に低い?RTX 4060との比較で見えてくる真実

ゲーミングPCを購入・自作しようと考えたとき、多くの人が悩むのが「どのグラフィックボード(GPU)を選べばいいか?」という点です。なかでも、NVIDIAの「RTX 3060」は一世を風靡した人気モデル。しかし最近、「RTX 3060 性能低い」といった声も見かけるようになりました。

この記事では、本当にRTX 3060は性能が低いのか?そして後継モデルである「RTX 4060」と比べてどうなのか?を初心者にもわかりやすく解説していきます。

そもそもRTX 3060とは?基本スペックをおさらい

RTX 3060は、NVIDIAが2021年にリリースした「Ampere(アンペア)」アーキテクチャに基づくミドルクラスGPUです。

  • CUDAコア数:3584
  • VRAM:12GB GDDR6
  • 消費電力(TDP):170W
  • 推奨電源:550W以上

「性能が低い」と言われる理由とは?

  1. RTX 4060との世代交代
    新しいアーキテクチャにより、RTX 3060は「古い」と感じられるように。
  2. VRAM容量に対する実効性能のギャップ
    12GBあっても処理能力が足りない場面がある。
  3. レイトレーシング性能が今では物足りない
    レイトレやDLSSが活かしきれないことも。

RTX 4060との比較:本当に買い替える価値はある?

項目 RTX 3060 RTX 4060
アーキテクチャ Ampere Ada Lovelace
CUDAコア数 3584 3072(効率向上)
VRAM 12GB GDDR6 8GB GDDR6
TDP 170W 115W
レイトレ性能
DLSS DLSS 2 DLSS 3(フレーム生成対応)
実売価格(2025年時点) 約4.5万〜5万円前後 約5万〜6万円前後

消費電力と発熱の違い

RTX 4060は大幅に電力効率が改善。静音性や冷却面で優れています。

実ゲーム性能

多くのベンチマークでRTX 4060は3060を約10〜20%上回る性能。

DLSS 3対応が大きな差

フレーム生成によってFPSが大幅向上。RTX 4060はDLSS 3対応です。

それでもRTX 3060を選ぶメリットはある?

1. VRAM(ビデオメモリ)が12GBと大容量

RTX 3060の大きな特徴のひとつは、12GBという当時としては異例の大容量VRAMを搭載していることです。
VRAMは、ゲーム中に表示するテクスチャやグラフィックス情報を一時的に保管する役割があり、特に以下のような用途で重要になります:

  • 高解像度テクスチャを使った最新ゲーム
  • MODを多数導入したゲーム(例:Skyrim、Fallout 4、GTA V)
  • 4K解像度でのプレイやスクリーンショット撮影
  • Adobe Premiere ProやDaVinci Resolveなどの動画編集ソフト

たとえば、Skyrimに大量の美化MOD(4Kテクスチャやリアルな草木MODなど)を導入すると、VRAMの消費が8GBを超えることもあります。そのような場合、RTX 4060(8GB)よりも、RTX 3060(12GB)の方がスムーズに動作するケースがあるのです。

また、動画編集や3D制作では、素材ファイルが重くなりがちなので、VRAMが多い方がレンダリングの安定性プレビューの快適さにもつながります。

2. 中古市場での価格が魅力

もうひとつのメリットは、中古価格の安さです。2025年現在、RTX 3060は中古市場でおよそ3万円台前半〜中盤で出回っていることもあり、RTX 4060(新品5〜6万円前後)に比べて初期費用を大きく抑えることができます。

「初めてのゲーミングPCを組みたい」「中古でなるべく安くパーツを揃えたい」というユーザーにとって、RTX 3060は依然として高コスパGPUとして根強い人気があります。

もちろん、中古品には使用状況や保証の問題もありますが、信頼できるショップや出品者から購入すれば、十分選択肢になりえます。

【補足】RTX 4060との価格性能比を冷静に比較

RTX 4060は性能面ではRTX 3060を上回りますが、価格差と使用目的によってはRTX 3060で十分という人も多いです。

  • 「とりあえずフォートナイトやAPEXをフルHDで遊びたい」ならRTX 3060でOK
  • 「4Kやレイトレーシングをガッツリ使いたい」ならRTX 4060以上が安心

要するに「何に使うか」「どれくらいの費用をかけるか」で、RTX 3060にもRTX 4060にもそれぞれの“正解”があるということですね。

こんな人にはRTX 3060はおすすめできない

1. 最新ゲームを高設定で快適に遊びたい人

RTX 3060はフルHD解像度であれば多くのゲームを快適に動かせますが、2024年以降に発売された最新のAAAタイトル(例:Starfield、Alan Wake 2、Cyberpunk 2077 Phantom Libertyなど)では、高設定〜ウルトラ設定でのプレイは厳しい場面が増えています。

フレームレート(FPS)が40〜50前後まで落ち込み、動きがカクついたり、描画負荷の高いシーンで急激にパフォーマンスが低下したりすることもあります。高リフレッシュレート(144Hzなど)のゲーミングモニターを活かしきれないことも多いため、最新ゲームを美麗グラフィックで楽しみたい人には不向きです。

2. レイトレーシングやDLSS 3を本格的に使いたい人

RTX 3060はレイトレーシングに対応していますが、リアルタイムレイトレのパフォーマンスはあまり高くなく、レイトレをONにするとFPSが大幅に低下します。
また、DLSSは「バージョン2」までしか対応しておらず、「DLSS 3(フレーム生成)」には非対応です。

DLSS 3を使えば、RTX 4060以上でAIがフレームを自動生成してくれるため、レイトレーシングONでも滑らかに動作しますが、RTX 3060ではその恩恵が得られません。

「光の反射や影のリアルさにこだわりたい」「DLSS 3を試してみたい」という人は、RTX 4060以上のGPUを選ぶべきです。

3. 消費電力や電気代を抑えたい人

RTX 3060のTDP(消費電力の目安)は約170W。一方、RTX 4060は約115Wです。
差はわずかに見えますが、毎日長時間プレイするゲーマーにとっては年間で数千円〜1万円以上の電気代の差になることも。

さらに、RTX 3060は熱も発しやすく、冷却ファンの音が大きくなる場合もあるため、「静音性」や「省エネ」を重視する人にとってはマイナスになります。

4. 3〜4年以上長く使いたいと考えている人

RTX 3060は登場からすでに4年以上が経過しており、今後出てくる最新ゲームの推奨スペックから外れていく可能性があります。今はフルHDでなんとか動いても、WQHDや4K、またAI支援を多用したゲームが増えてくると、将来的に力不足になる可能性が高いです。

長く安心して使いたい場合は、DLSS 3対応で、より高効率なRTX 4060や4070を検討した方が、結果的に買い替えサイクルを伸ばせてお得になります。

 

RTX 3060は「価格」と「今すぐの用途」にフォーカスすれば魅力的なGPUですが、将来性・最新技術・省エネ・長期使用の観点では弱点も明確です。
以下に1つでも当てはまるなら、RTX 4060以上の新世代GPUを選ぶ方が後悔が少ないでしょう。

  • 新作ゲームを高画質&高フレームレートで遊びたい
  • レイトレ・DLSS 3など最新技術を活用したい
  • 静かで省エネな環境を作りたい
  • 数年以上はGPUを買い替えずに使い続けたい

【まとめ】

RTX 3060は「古くなってきた」のは確か。でも「性能が低い」と断言するのは早い。
用途と目的に合わせて選べば、今でも活躍できる1枚です。

ただし、これからゲームを本格的に始めるなら、RTX 4060以上の方が快適で後悔も少ないでしょう。

 

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